プレスリリース

2014年1月17日

研究開発部の論文が、英国「STWJ」誌より
「2013年論文賞」を受賞

フルヤ金属の研究開発部が2012年に英国の学会誌「Science and Technology of Welding & Joining」(STWJ)に発表したイリジウム合金に関する論文が、このほど同誌より「2013年 Best Paper Award(論文賞)」を受賞しました。

論文名:
「Development of high strength Ir based alloy tool for friction stir welding-FSW向け高強度イリジウム基合金の開発」
執筆者:
宮澤智明、岩本祐一、丸子智弘、藤井英俊(大阪大学)
STWJ誌:
溶接・接合関連の最高峰の英国の学会誌。接合関係に特化した論文を掲載し、世界の冶金・金属工学関連の学会誌全体75誌の中でも6番目(2011年)のIF値(=各種学会誌の重要度の指標の一部)を誇る、世界的に権威ある学会誌。
  • 授賞式の様子
  • 授賞式の様子
  • 授賞式の様子

Friction Stir Welding とは

和名で摩擦攪拌接合(以下FSW)と呼ばれる接合技術です。
一般的に、接合は溶融して接合する溶接が主流ですが、組織の肥大化、添加物の変質や脱離、大きな熱変形を伴うなど、溶接後に接合部の強度劣化が問題となっていました。

FSWは、ツールと呼ばれる治具を用い、これを回転させて被接合材料に押し当てることで、摩擦熱を発生させ、溶融することなく金属を攪拌して接合する技術です。

この技術は、現在応用が進んでいる新しい接合技術で、接合部は微細結晶粒であり熱変形が少ない特徴から、機械的特性に優れています。今後、更に幅広い分野で応用が期待されています。

  • 摩擦攪拌接合ついて
  • 摩擦攪拌接合ついて
摩擦攪拌接合ついて
摩擦攪拌接合ついて

当社イリジウム合金ツールの強み

高融点(2,447℃)、高機械強度、耐食性に優れたイリジウムをツール材質に採用することで、ツールのロングライフ化を実現しました。

アプリケーション

FSWは鉄道、自動車、建築、航空宇宙分野などで既に実用化されていますが、今後は原子力、パイプラインなど、接合強度が求められる分野での応用が期待されています。

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